孤独死という言葉に、思わずドキッとしたことはありませんか?
「まだまだ自分には先の話」と思っていたけれど、親のことや自分自身の未来を考えると、ふと心に刺さります。
『ひとりでしにたい』は、そんな重いテーマを扱いながらも、決して暗くなりすぎず、ユーモアを交えて描かれた漫画です。ギャグでクスリと笑わせてくれるシーンも多く、読んでいるうちに自分の生き方や死生観について考えさせられる、絶妙なバランスの作品です。
作品情報
『ひとりでしにたい』は、カレー沢薫とドネリー美咲(原案協力)による日本の漫画作品です。
- 作者:カレー沢薫(漫画)・ドネリー美咲(原案協力)
- 掲載誌:モーニング・ツー(2019年9月~2020年3月)、コミックDAYS(2020年10月~連載中)
- ジャンル:ヒューマンドラマ、コメディ
- 主なテーマ:「終活」「孤独死」「30代独身女性の生き方」
- 受賞歴:第24回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞(2021年)
- テレビドラマ化:2025年6月、NHK総合にて綾瀬はるか主演
物語は、30代後半の独身女性・山口鳴海(35歳、美術館学芸員)が、憧れの伯母の孤独死をきっかけに「終活」を意識し、よりよく生きることを模索する日々を描きます。飼い猫・魯山人や職場の若きエリート・那須田との関係も描かれ、笑いあり、考察ありのヒューマンドラマです。
作者のカレー沢氏は、自身の30代後半の実感や終活に関わる社会問題を題材にしつつ、暗くなり過ぎない工夫をしている点も魅力です。
あらすじ (めちゃコミより引用)
いわゆるひとつのバリバリのキャリアウーマンで、優雅な独身生活、余裕の老後を謳歌していたかに見えた伯母がまさかの孤独死。黒いシミのような状態で発見された。その死にざまに衝撃を受けた山口鳴海(35歳・学芸員・独身)の人生は婚活から一転終活へ。死ぬのは怖い。だけど人は必ず死ぬ。ならば誰より堂々と、私は一人で死んでやる。一人でよりよく死ぬためには、よりよく生きるしかない。愛と死をひたむきに見つめるフォービューティフルヒューマンライフストーリーの決定版誕生!
見どころポイント
1. 孤独死した伯母の存在
冒頭の1シーンから登場する伯母の遺影は、子どものころから憧れた「理想の独身女性」。
しかし、その理想の人が孤独死してしまう衝撃は大きく、淡々と語られる父のセリフや描写も強烈です。
主人公自身も独身で結婚・子どもの予定がないため、伯母との境遇が重なります。
伯母の遺品を通して、故人の人生や価値観を考え、同時に自分自身や飼い猫の未来についても思いを巡らせる展開は、深く考えさせられます。
叔母自身の姿は物語に直接出てくることは少ないですが、周囲の人物から見た印象の違いを描くことで、キャラクターに厚みを与えています。
2. 考えが浅いけれど素直な主人公
幼少期、キレイで憧れの伯母と、自分の母親を無意識に比較してしまうのは自然なこと。
思春期を経て、伯母との接し方が変わった自分に「私が一番性格が悪い」と頭を抱えられる主人公の素直さは魅力的です。
孤独死をきっかけに、婚活へ邁進する姿には考えの浅さもありますが、自己分析しながら客観的に行動できる姿は読者としても応援したくなります。
3. 那須田くんとの関係
職場で突然話しかけてくる那須田は、主人公に的確なアドバイスをする一方、ひとりになると本音をポロリ。
「え、主人公のこと狙ってたの?」「その言い方、脅しだよ…」とツッコミたくなる場面も。
さらに「アイドルオタクの同担」と嘘をついたりして、二人の距離感は読めない展開に。
恋愛に発展するのか、物語のテーマでどのように関わってくるのか、今後の展開が全く予測できないのも面白さの一つです。
まとめ
最初は「ちょっと重めかな……」と後悔しつつ読み始めたのですが、読んでみるとキャラクターが濃く、テンポよく進む物語にどんどん引き込まれました。
テーマは重いですが、笑いも交えながら読めるので、心が重くなりすぎず読み進められます。さらに、自分自身の知識や心構えにもつながる学びの多い漫画です。
無料の5話だけでも十分楽しめますし、毎日無料の28話配信分や、それ以上の展開まで気になる方はぜひチェックしてみてください。
また、実写化もされており、主演は綾瀬はるか。まだ見ていないですが、視聴したらレビューしたいです。
6話以降のお話のレビューはこちらから👇
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