「孤独死」って言葉を聞いて、どんなイメージがありますか？
自分には関係ない、遠い話だと思っていても、実は誰にでも起こり得る身近なテーマかもしれません。
結婚しているから、子どもがいるから自分には関係ない──そう思う方にもぜひ読んでほしいのが、『ひとりでしにたい』です。
叔母の孤独死という衝撃的な出来事から物語が始まり、主人公・山口鳴海とその周囲の人々が、コミカルに、でも真剣に“孤独死”と“生き方”に向き合う姿を描きます。
重いテーマなのに、笑って考えさせられる。読むほどに「生きるとは」「老いるとは」を優しく問いかけてくれる作品です。
前回はめちゃコミでイッキ読み無料話5話までを書きました。今回はそこからの続きで毎日無料の６～10話までのレビューを書いていきます。ぜひ読んでみてください。
前回のお話はこちらから👇
【無料5話レビュー】『ひとりでしにたい』孤独死をテーマに笑えて考えさせられる漫画｜めちゃコミでイッキ読み
作品情報
作品名： ひとりでしにたい
作者： カレー沢薫（漫画）・ドネリー美咲（原案協力）
掲載誌： モーニング・ツー（2019年9月～2020年3月）、コミックDAYS（2020年10月～連載中）
ジャンル： ヒューマンドラマ、コメディ
主なテーマ： 「終活」「孤独死」「30代独身女性の生き方」
受賞歴： 第24回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞（2021年）
テレビドラマ化： 2025年6月、NHK総合にて綾瀬はるか主演で放送開始
あらすじ（めちゃコミより引用）
いわゆるひとつのバリバリのキャリアウーマンで、優雅な独身生活、余裕の老後を謳歌していたかに見えた伯母がまさかの孤独死。黒いシミのような状態で発見された。その死にざまに衝撃を受けた山口鳴海(35歳・学芸員・独身)の人生は婚活から一転終活へ。死ぬのは怖い。だけど人は必ず死ぬ。ならば誰より堂々と、私は一人で死んでやる。一人でよりよく死ぬためには、よりよく生きるしかない。愛と死をひたむきに見つめるフォービューティフルヒューマンライフストーリーの決定版誕生!
見どころ・おすすめポイント
① 自分の「普通」は他人の普通じゃない
主人公・鳴海のことが好きな那須田くんとの会話から、大学進学や奨学金の話題が出ます。
そこで鳴海は「奨学金を受けていない学生は半分もいない」という現実を知り、自分が“恵まれていた側”だと気づきます。
「奨学金もなく大学へ行き、不安なく生活できること」は、鳴海にとっての“普通”でした。けれど、それがすべての人にとっての普通ではない。
この気づきをきっかけに、鳴海の世界が少しずつ広がっていきます。
また、那須田くんの落ち着いた言動の裏に、彼自身の家庭環境があることが描かれる場面も印象的。
生い立ちの違いに無自覚だった鳴海が、ひどい言い方をしてしまったことを素直に謝る姿に、人間的な成長を感じます。
一方の那須田くんも、相手を責めず冷静に話をする誠実さが魅力的で、読者も彼に好感を持つはずです。
② 素直で、きちんと考えられる鳴海のすごさ
「自分の普通は他人の普通じゃない」と気づいた鳴海は、さらにその考え方が“老害”の一種になっていたことまで自覚します。
この“気づきの連鎖”が、本作の見どころでもあります。
自分を客観的に見つめ、反省し、きちんと謝る。
鳴海のように行動できる人はなかなかいないですよね。
しかも、謝罪の仕方が「推しアイドルの写真をあげる」というちょっとズレた可愛さもあって、思わずクスッと笑ってしまいます。
③ 那須田くんに共感！
那須田くんの生活スタイルが描かれるエピソードは、共感度がとても高いです。
ものは少なく、効率的で無駄がなく、友達との付き合いも最小限。
私自身も、結婚・出産・育児を経た今では、那須田くんのように「ものを持ちたくない」「非効率なことはしたくない」「新しい人間関係は作りたくない」と思うことが多いです。
若い頃は鳴海のように推し活に励んでいたのに──。
鳴海にも那須田くんにも共感できるからこそ、読み応えがあり、自分の価値観を見つめ直すきっかけになるマンガです。
まとめ
どんどん読み進めていくと、新たな発見や考え方、知識が増えていくマンガだなと実感。 でも、小難しい話ではなく、コミカルでテンポよく話が進んでいくので、読みやすいです。
読み進めるほどに、新たな発見や考え方、そして知識が増えていくマンガです。
難しいテーマを扱いながらも、テンポよくコミカルに描かれているのでとても読みやすいのが魅力。
「くすっと笑える作品が好きな人」も、「人生や生き方について考えたい人」も、どちらも満足できる一作です。
今後ドラマ化も控えているので、原作をチェックしておくとより楽しめます。
このマンガはこんな人におすすめ
・一人時間を楽しむ人、マイペースに生きたい人
→ 自分の生活を大切にしながらも、将来を少しだけ考えたい人にぴったり。
クスリと笑いたい、もっと気軽に笑いたいなら、こちらもおススメ☆彡
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